自由領域4
「月影の森」から◆少年風貌が離界。 (10/21-02:52:30)
◆少年風貌>【 風が木々を揺らし、葉がささやくような音が耳に届く。その音とキュウリをかじる音が交じり合い、夜の静けさをさらに際立たせる。少年の長い髪が風に揺れ、月光に照らされて銀にも輝く。そして彼は今夜分のキュウリを食べ終えた──… 】 食うってどっちを?木の実か・・・俺か・・・ 【 最後の晩餐とはならなかったようだ。幸いなことに?不幸なことに? 】 【 翡翠色には諦観が孕んでいる。はぁ、と重い溜め息をつく少年風貌は、どこか重い雰囲気をまとって。 】 希死念慮持ちを殺すことは、アンタのお好みなのかどうか・・・また会えば分かることか。 【 生き残れたのか、死にぞこなったのか、今の少年風貌には分からない。分からないが、死は絶望であり、希望なことは分かる。すっかり軽くなってしまった紙袋を持ち直し、少年風貌はテントへと戻ろう。遺書ではない、家族への手紙を久しぶりに書こう。なかなか伝えられなかった近況も、すべて正直に──…たとえ相手と再会しなくたって、いつ死ぬとも限らない、か弱い姿なのだから。そう思い知ったある夜のこと。 】 (10/21-02:51:47)
◆少年風貌> 何それ、投げ技・・・じゃなく、遅い方か。 【 おそらく「throw」ではなく「slow」なのだろうと、その言葉を初めて聴いた少年風貌が思い至る。 】 俺はキュウリ農家じゃねェからな、息巻いたところで出来ることは限られてんだよ。 【 木の実なら話は別かもしれないが、コッテリしたり酸っぱかったり、相手の気分を害しそうなものしかなさそうだ。ゆえに言わないでおこう。 】 ハチミツなんか持ってねェよ、高ェし・・・甘いのが良いのか?木の実ならいくつかくれてやれるが。 【 商品はあまり渡したくないが、傷物なら相手に渡しても良い。最悪殺されるかもしれないなら、売り物だって渡しても良いのだけれど──…心にひっかかるものがある、のも黙っておこう。 】 いや忘れてくれて良いぞ。 【 即答。やっぱ名乗るんじゃなかったと少しの後悔。仕方ないだろう、「名乗らないんだったらこうしてやる(げしっ)」「うわー(死)」が雑な解像度とはいえ、妄想で済まないかもしれないのだ。 】 俺覚えてても何も・・・つかキュウリいつも持ってるとも限ら・・・うわ、消えやがった。やっぱ人間じゃねェよな、キュウリ知らなかったし。 【 そ こ 。 】 【 木々の隙間から森の中へと差し込んでいる月光の照らす先に、相手の姿はすでに無く。その笑い声も溶けていってしまうのだろう。まるで神秘の帳を引き裂くように幻想的であり、地面には無数の月光の斑点が踊っているだけだった。 】 (10/21-02:43:01)
「月影の森」から◆黒が離界。 (10/21-02:36:40)
◆黒>(仏頂面の眉間に刻まれた皺がまた少し深くなった。不満を隠さない少年の言う隠遁の楽しみはあまりに地味で、やはり思っていた通り刺激の無い、黒の言う“つまらない”ものであった。そう言えば、こう言うのにピッタリの言葉を最近異界で聞いたっけ?) 何だっけ……あ、そうだ。スローライフ? (何やら、異界では都会に疲れた人間が隠居することをそう言うらしい。と言うことは、この少年もまた今の生活に疲れていると言うことだろうか…なるほど、彼がこれっぽっちも楽しそうじゃなくて、チラリとも笑顔を見せない原因がコレか。などと勝手に一人で納得する) ……もっと上を目指しなよ。 (命の無事に安堵する少年にジト目をやり、更に) 今度はもう少し甘いのが良いな。蜂蜜……って、凄く甘いんでしょ? (我儘を重ねた。 食べたことは無いけど、甘いものとして白から流れて来た記憶で知っている。 ――そんな他愛も無い雑談の後。月光の下でキュウリを食べる緑髪の少年と言う奇妙かつ奇抜でシュールな絵画を眺める時間。) そう、イシス……イシスって言うんだね。覚えたよ、忘れない。 (尋ねに応じて聞けた名を口の中で転がすように数度呟き、嬉しそうに頬を緩めた。そして、) …次ぎ会った時は、ちゃんと残さず食べてあげるね。イシス。 (愉しそうな笑い声だけを残し、ほんの一瞬、少年が目を離した隙に黒の姿は闇に溶けたように消えていた――) (10/21-02:33:05)
【PBC Affinity】