自由領域
【戻る】

背景色 白黒表示
行数

屋上」からが離界。 (03/05-22:30:21)
白>(――眠らない街から程よく離れた、空に近いその場所で、一人と一匹は傷を慰めあうように夜を過ごした。) (03/05-22:30:17)
白>不意に、後ろに伸びた白の影が、水溜りに雫を落としたように波紋を作り、揺れる。丸くなった背中に乗るフードを、ぐいと後ろに引かれ) ――っ! (驚いて顔を上げると、頭上に狼の大きな口が見えた。そのまま、ずりずりと、後ろに引きずられ―― ポスンッ。ふかふかでモフモフな毛並みが自慢の大きな狼の腹に、背中を預ける形で転がる。起き上がろうとすれば、頭で体を潰されて、動くなと言われた気がした。文句ありげな碧眼をキョトンと見つめた後、白はふっと目を細め、不安の色が消し、代わりに薄い笑みを浮かべた) ……そうだね、“一人と一匹”…だね。 (温かな毛並みに抱かれて瞼を閉じる。) (03/05-22:28:55)
白>(あの後、廃街を包んでいた影は、白の足元に戻っていた。少しだけ、扉から覗き見たあっちの世界が、無事朝を迎えたのだけは見届けられた…。――だが、北の地では、あれから夜になると影の異形が闊歩するようになり、また人を襲っていると、今は噂に聞く。本来なら、今すぐにでも戻って対処しなくてはいけないのに、自分は怪我を理由に異世界に留まっている。これは甘えだ。言い訳と言う名の、贖罪への猶予だ。足が治れば……) (――仮に、その問題を片付けたとして、あの街にはもう帰れないだろう。自分を追う者、この力を利用しようとする彼らがまた来るかもしれない。…いや、来るだろう。確実に。前回は、帰るまでに五十年の期間を空けた。なら、次は百年か、それとも…) また、当てもなく旅をするのかな…。今度は本当の、本当に…一人きりで…… (左足を縁に上げ、膝を抱えて背を丸める。 女々しく、情けない、泣き虫な自分の弱さがずっと嫌いだった。もっと、もっと、心も、体も、強くなりたくて…――。) (03/05-22:15:45)
白>(瞼を閉じ、思考を巡らせる。――自分が内に閉じ込められていたこの半年で何が起きたのか、もう一人の自分がしでかしたことは、ほんの少ししかわからなかった。故郷の廃街で、儀式の為に沢山の人間を襲っていたこと。そして、あの人に結局迷惑をかけてしまったと言うこと。これ以上迷惑をかけないよう、せめて、足が戻るまでは大人しくしていた方が良い。そう分かっているのに、気持ちばかりが急いてしまう。) その場の勢いに流されて、責任から逃げ出して…帰れなくなって。なんで私は、こんなに中途半端なのかな… (自責の念と同じくらい、自分の意志弱さに辟易とする。また選択を間違えてしまったと憤る気持ち。生きて、逃げ延びたという安堵。そして、助けられた恩をどう返すべきかと言う悩み。ぐるぐると、頭の中で巡り、まだ出口は見つからない。) (03/05-21:58:24)
行数 白黒表示
開始行

【PBC Affinity】