ベファリアについて



時代背景

SFなどでお馴染みの未来世界です。
人が超常的な能力を持っている事もありますし、ビームやレーザーが戦闘で使われる事もあります。


その1、気候

「外に出る? おいおい、気は確かかい? 死んじまうよ!」〔プログラマー〕

この世界で、ほとんどの住人は「ドーム」「コロニー」と呼ばれる居住区の中に住んでいます。
その外は汚染が進んでいて、とても生身の人間が住める状況ではありません。
濁った雲が立ち込め、毒ガスが満ちる死の世界。当然、自然はどこにもありません。
建物も、あったとしても廃棄された街の廃墟ぐらいでしょう。
そこを普通に歩けるのは、よほど頑丈な種族かロボットか、そこに適応したミュータントぐらいのものです。
じゃあ外に行けない? そんな事はありません。
防護万全のシャトルに乗れば外に出る事も出来ますし、荒野の向こうに住む親戚に会いに行きたかったらワープゲートを使えば良いのです。

その2、情景

「ピザを届けてもらえる? 住居区分NoはA49。正午に友人が来るから、その時までに受け取りボックスに”転送”してね」〔主婦〕

外の荒廃とは逆に、ドームやコロニーの中はとても住みやすく出来ています。
掃除用のロボットが道のゴミを広い、空気清浄システムが働き、どこも綺麗に保たれています。
また、天気管理局がその日の天気を決め、本物そっくりの空が天井に映し出され、雨や雪も再現されています。
労働は、ほとんどロボットや人工知能(AI)が行い、住人はそれらにお金を払うだけで、好きな場所で、好きなサービスを受ける事が出来ます。
最も、古くなりかけた地域や、外界との境界にある廃棄エリア、ならず者が支配するドームの中では、違法取引や銃撃戦も日常茶飯事。
そう言う場所は危険極まりないですが、富を求めて、あえて訪れる者もいます。

その3、衣食住

「第六プラントの野菜は最高だね! 培地が違うよ、培地が!」〔料理長〕

外の世界が荒れているので、天然の品は高級品です。
バイオテクノロジーが発達しているので、食べ物は養殖よりもプラント(施設)での培養が主流。
例えば肉や野菜は、家畜や苗を育てるのではなく、肉や葉の欠片を培養して「作って」います。
また、酒もジュースも、機械が自動的に必要成分をブレンドした人工品。
そのため、プラントの中では肉のカタマリや、野菜の葉っぱだけがニョキニョキと「成長・増殖」しているのです。

その4、医療

「サイバーアイ、今年の新型さ。暗視機能付きで色チェンジ可能! どうだい?」〔若者〕
「素敵ね! でも私は機械埋めるより、皮膚を取り替える方が好き。綺麗でしょ?」〔少女〕

医療技術は、もはや最高水準です。
無くなった腕も足も、培養一つで簡単に再生できます、クローンを準備しておいて、体ごと取り替えると言う方法もあります。
老化は昔の話、いつまでも若くキレイでいる事も夢ではありません。
とは言え、生身の体は汚れたり、年を取ったり、傷がついてしまったりするので、機械に交換すると言う者も後を絶ちません。
ただ、機械化に凝りすぎた結果、人間性が無くなってしまうケースも報告されています。

その5、金銭

「(支払機から出て来たカードを見て)今月は少ないなぁ…」〔メンテナンス技師〕

お金は、ローカルなシステムを除けば、全て電子決済です。
硬貨や紙幣は、あってもほとんど使われません。
残金が表示されるカードやスティックを機械に突っ込んだり、かざしたりして預金や引き出し、決済・売買を行います。

その6、交通

「(カードを支払い機に入れながら)座標226.18.191まで、至急」〔企業幹部〕
「(OK:の電子文字)」〔AIタクシー〕

空飛ぶ車は当たり前。
ガソリンやジェットエンジンでさえ時には古臭いと言われ、反重力の乗り物が空を駆けます。
ナビも、立体地図として車内に映し出され、料金を払い、目的地を指示するだけで、勝手にそこまで行ってくれる無人タクシーも珍しくはありません。
機械化が進んだ世界ですから、中には自分の意志を持って「お客さん、どちらまで?」と話すAI(人工知能)タクシーもあるでしょう。
ビルからビルに張り巡らされたチューブの中を、ボードに乗って移動するのも良くある光景。
ゲートステーョン、と呼ばれる施設では、別のステーションまでワープ出来る、ゲート(門)を利用する事も出来ます。

その7、企業

「企業の為に生きるか、生きる為に企業に従うか。それが問題だ」〔哲学者〕
「Hey! そのアンサーは”何も知らない民間人になりゃあいいのさ!”」〔陽気なアンドロイド〕

一見、とても平和そうに見える世界ですが、その裏では様々な取引が行われています。
文明の発達と共に、大きくなり過ぎた「科学」と「金」の力。
それを抱える企業の権力はすさまじく、政治から経済、軍事までを支配しようと、日々、武力や知識に長けた者を、次々と雇い入れています。
身寄りの無い者を、医療施設で新しい軍事ミュータントの実験体にしたり、資金を生み出す麻薬組織を、影でバックアップしていたりする事も日常茶飯事。
もちろん、そんな事が民間にバレたら一大事ですから、口封じのための暗殺者を雇ったり、化け物を作ったりなど、証拠隠滅にも手抜きはしません。
そう言った企業に忠誠を誓う者。
あるいは、フリーランサーとして企業に手を貸す者達の間で、日々、権力と技術を巡る戦いが、絶え間なく続いているのです。

その8、異種族・異能

「霊子砲、一つ!」〔若い軍人〕
「あいよ! 新興宗教アヴズの、祈りの詰まった弾丸入りあるよ!」〔武器商人〕

古くからある魔法や霊力、マナ、エーテル、チャクラやオーラも科学同様すっかり解析が進んでいる世界。
そのせいか、妖精や妖魔はそれほど珍しく無く、人に混じって暮らしている者も多くいます。
外から訪れたと言う説。
霊力やら魔法やらをエネルギー源に使い過ぎたせいで、それらを遠い祖先に持つ人間が先祖返りを起こして”変異”したと言う説。
どれが正しいのかは地域次第です。
ともあれ、それらの種族は「人外」と呼ばれ嫌われる事もあれば、逆に崇められたり等、場所によってかなり待遇が違います。
また、魔法的な力も、ある程度は科学と融合されるようになり――
例えば、普通の弾が効かない妖魔を撃つ為に、”祝福された”弾丸が売っていたり。
宗教団体の偶像の後ろに、人々の祈りを霊力に転化して凝固する機械があったり、など。
電力・水力・火力・原子力に並ぶ第五のエネルギーとして、それらは普通に、生活や武器に取り入れられています。
それらを生まれつき使える者もいれば、修行で覚えたり、霊力を注入したり、体の一部を霊的な存在と融合させたりして獲得する者もいます。
中にはその圧倒的な力に酔い、無差別殺戮を行う「化け物」になってしまう者もいて――
そう言った者の多くが、軍やフリーランサーの手で「狩られる」運命を辿ります。

番外:電脳を駆ける者

頭に埋め込んだサイバーパーツに端子を突っ込んで、コードで機械と繋いだりする事で「電脳世界」へと精神を入り込ませる(ダイヴする)事が出来る者もいます。
民間人はまずやらない事ですが、ハッカー、またはハッカー達から企業を護るための護衛(セキュリティ)の多くが、そう言った能力を持っています。
ネットワーク専用の使い魔(サイバーエレメンタル)を駆使する者もいれば、脳に記憶メモリや演算装置などのパーツを埋め込んで、「コンピューターに負けないレベル」の処理能力を誇る者も。

電脳世界での戦い方は、様々。
メカのようなものをプログラミングし、その中に乗り込むような擬似体験の形で敵を破壊する者。
きらめく翼を持った機械天使のような姿を自分に当てはめ、攻撃プログラムを武器にして戦う者。
0と1ばかりの数字の流れに乗って駆け巡る者。
その人のスタイル次第で、千差万別となる事が多いようです。